俊さんの悠遊楽

(July 2006 )



 まえがき

 我が家のリビングにあるハイビジョンが、モーツアルトの生涯と彼の功績について語り、部屋には静かな時が流れている。ラブソファーに座りその放送を見ている
Wifeの脚に、ちょこんと頭を乗せて真っ白で小さな犬がオーケストラの演奏を聴きながら寝息をたてている。 いつも見られる我が家のくつろぎの時間のシーンである。
 その真っ白の犬は、マックという名前のジャック・ラッセル・テリアで、私が還暦を迎え第2の人生を歩みだした日から丁度1ヶ月が経った、2001年9月4日生れの間もなく5才になる男の子である。
 マック(Mac)が我が家に来たのは、生後40日後で手のひらに乗るくらいの大きさのとっても可愛い犬でした。そして親から離され独りぼっちになった彼が少しでも早く環境の変化に慣れるようにと気を遣った一週間でもありました。
 そんな日から早くも5年が過ぎ、その間のマックとの付き合いを通して見た、ジャック・ラッセル・テリアの性質と魅力について気がつくままに書いてみました。
(写真上は2001.10.17に撮影)
 マックの一般的な外見は?

  全体的なプロポーションとして、背の高さは約35cm、フラットな胴の長さは約35cmと均整がとれており、ほぼ四角な比率をしています。体重は約7.2kgでバランスがとれ、しっかりとした筋肉質な体型です。

 毛は短毛のスムースコート、色は真っ白です。そして両耳と尻尾の付け根だけが丸くタンになっているのがとても特徴的です。 (写真左は2006.7.23撮影)

 頭と身体とのバランスも微妙にとれており、その頭頂部はフラットです。耳と耳との間も広くも無く、狭くもなく適度にバランスがとれています。頭の形は目の方向に向かって狭まり、マズルも適度にカーブしてその鼻先は黒です。 もちろんあごはしっかりしていてとても健康的です。
 マックの特徴は?

 とても利口で明るく活発、活動的なマックです。1日中走っていても疲れを知りません。そして何事も自分の都合の良い方に考えるのがジャック・ラッセル・テリアの特徴です。体の大きさからは考えられないほどの大きく、よく響く声で吠えます…(これは吠えるというより飼い主を呼んでいるかのように聞こえます)。またそれは、常に自己を主張し、自信を持った態度で接してきます。その一方、警戒心がとても強く、用心深く相手を見つめ観察してから行動するようです。

マックとの付き合い方は?

1、ジャック・ラッセル・テリアは小型犬でありながら、大型犬と同じかそれ以上に運動を必要とします。マックも朝夕2回、1時間以上の散歩を欠かした事がありません。生後10か月のころ安濃川のダムに遊びに行ったときの事ですが、マックが自分からすすんで川に入り犬掻きで上手に中洲の岩に泳ぎついたのには感動でした。その行動的な性格は、精神的にも大型犬に勝るとも劣るものではありません。

2、マックの頭の良さには本当に驚かされます。彼は生きている限り、自分の可能性に挑戦し続けるでしょう。毎日が飼い主の私とマックの知恵比べと根競べが日課です。大抵の場合、飼い主の私がマックを訓練する前に、私がマックのいうことを聞いてしまいます。それほどジャック・ラッセル・テリアは強い意志を持った犬なのです。

3、マックと散歩中に出会う人から、毛が短くて抜けないのでしょうね? とよく聞かれますがそうではありません。特に短毛(スムーズ・コート)のマックの抜け毛は凄く春と秋の2回はリビングのフローリングが真っ白になり掃除機もすぐ毛でいっぱいになります。(洗濯機の中から出てくる洗濯物には白い毛が付いています。)


 マックの仕種について

1、毎朝飼い主の私が二階の寝室から階段を降りリビングに降りる途中、マックはリビングのドアから半分顔を覗かせて私が下りてくる足音を聞いています。階段を曲り顔が見えるととたんに大きなアクビを一つして、自分の大好きな玩具(ガム)を銜えてハシャギ窓辺に行きます(これが彼の安心感の表現です)、マックと呼ぶと一度だけ足元に寄って来てからだを寄せてきますが、後は何食わぬ顔で窓の外を眺めています。

2、「マック散歩に行こうか」と声をかけ、ウンチ袋を取りに持って立ち上がると途端に、私の足元に寄り添って着いてきます、私がウンチ袋を手に取った瞬間マックは先に玄関に行きガムを噛みながら私を待っています。(毎朝くりかえされるマックの可愛い仕種の一つです。)

3、夜9時を過ぎる頃になると、リビングの一角にある自分の部屋に入って行きます。その後でそのゲージのそばを、私やWiffが通り過ぎるだけで、マックは気が狂ったように自分の水筒やゲージを守ろうとして身構えます。この仕種は、3才半を越えてから現れてきた行動でその原因については不明であり、現在なお解明中です。


 マックの体が持っているジャック・ラッセル・テリアのドナーについて

1、マックは好奇心が旺盛で、自分でやろうと決めたことは最後までとことんやります。
 1才までの子犬はどの子犬でも、歯に成長する過程でむず痒く何かを無性に噛む、噛み癖がみられます。マックもそうでした、彼に与えたガムの一方から噛み始めます、時間の経過と共に集中的に、そしてわき目も振らず噛み切っていきます。その間、他のモノを見つけて浮気をするということはありませんでした、まさに1点集中狙った仕事を最後までやり遂げる猟犬の一端を覗かせていました。(椅子の脚や家具の一部を噛みましたが、幸いにも我が家にダメージを与えるような噛み方はしませんでした)

2、マックは家の中の階段を上がり・降りしません。
 幼犬の時に、一度だけ3階から一人で歩かせて階段を降りたことがあります。その時の想いが怖かったのでしょう、それ以来マックが歩いて階段の昇降をすることはありません。屋上の運動場に行く時は必ずダッコをされて上がります。そして夜、雷が鳴っても地震で揺れても、マックはいつも1階のリビングで生活しています。これも、ジャック・ラッセル・テリアの用心深さのドナーを受け継いでいると思います。

3、いつもリビングにいるマックは、来訪者が押したチャイムが鳴る前に吠えて飼い主に客人の来訪を知らせます。飼い主の私やWiffがマックに声をかけるまで鳴き続けます、これはまさしくドナーの持つ猟犬の嗅覚と思います。

4、散歩中に他の犬とであったり、人と出会ったりしたときに好き・嫌いの自己主張はっきり出る犬です。嫌いな犬に対しては、小さな体に逆毛を立てて大きな声で吠え、自ら相手に向っていく攻撃的な性格を持っています。(しかし最近、猫に向って攻撃しても、猫がマックに対しそ知らぬ顔をして相手にしてくれないので、少しストレスを感じているようです。)

このように、大きな声で吠えたり集中攻撃をしたり、そしてその攻撃的な性格や素晴らしい聴覚、そして臭いを嗅ぎ分ける能力は全て猟犬としてのジャック・ラッセル・テリアには必要な能力であり、魅力であるのです。


 マックとの知恵比べについて

1、マックは3才ぐらいまでの間、近所のメス犬が生理の時期になると良く脱走しました、我が家のオートドアーの撥ね上げ式の駐車場ドアの間に鼻をさし入れ鼻の力でゲートを上げて脱出しました。飼い主とマックの知恵比べと根競べの結果、オートドアーの下部に巾20cmほどの粗い目のネットを取り付け、ネットの上を揚げようとするマック自身が踏みつけ揚げることは出来ません。(飼い主の勝です)

2、その後オートドアーの横にある高さ1メートル程度の塀から、鉢の縁や、花の支柱に足をかけながら登り、塀を飛び越えられることを覚え、得意げに脱走して近くの公園に一人遊びに出かけました。(マックの勝ちです)

 早速、塀の近くにある背の高い鉢は飼い主によって片付けられ、マックの足場は無くなってしまいました。(脱出現行犯で逮捕されたマックの負けです。)

3、ジャック・ラッセル・テリア=この犬達は庭にいるときも、散歩の時も常に獲物を捜しています。それがこの犬種の習性であり魅力なのです。いつも呼べば戻ってくる犬ではありません。マックが猫や小動物を追いかけて車に引かれて死ぬというようなことにならないよう注意が必要なのです。

4、ジャック・ラッセル・テリアは飼い主とその家族に対する忠誠心の強い犬だといわれています。マックもその通りだと思います。しかし、いつのまにか飼い主とその家族は自分のペットであるかの様に考え始めてしまうのもこの犬種の特徴です。(郵便屋さんに対して攻撃的になるのもその表れなのでしょう。) 


 あとがき

こうしたジャック・ラッセル・テリアの持って生まれた能力こそがこの犬の大きな性質であり魅力なのです。残念ながら、この能力が飼い主に理解されず、この犬種の我慢できない「悪い癖」と誤解されてしまい敬遠される事があるようです。

最近ジャック・ラッセル・テリアがテレビや映画に出てくる機会が多くなりました。しかし、プロの調教師が訓練したあの素晴らしい犬達がハンドラーの言う事を聞く時間はごく短いそうです。それがジャック・ラッセル・テリアなのです。映画「マスク」や「クリムゾン・タイド」に出演したマックス君は3回以上のNGを許さなかったと言う話は有名です。…是非一度御覧になってください。